エレベーター保守契約の種類について
POG契約
POG契約は「Parts(パーツ)、Oil(オイル)、Grease(グリス)」のことを表しており、その名の通りパーツ・オイル・グリスの点検・給油の基本的な点検に項目を絞ったメンテナンス契約です。
POG契約は点検の結果、不具合・故障があり、交換・修理作業が必要なときにのみメンテナンス費用に加えて交換・修理費用が必要となる契約形態です。
契約内容に部品代金・修理費用が含まれていない分、エレベーター保守・メンテナンスにかかる費用を最低限におさえられることが大きな特徴のひとつです。
また、メンテナンス費用と交換部品・修理費用の費用を分けて管理することができるため、エレベーター保守にかかった費用を明確にすることにも役立ちます。
さらに、「フルメンテナンス契約」よりも保守にかかる費用が安価なために、品質の面で劣ると思われがちのPOG契約ですが、全くそのようなことはありません。
エレベーターの保守点検における各機構の点検・調整は建築基準法に沿った内容で行われるため、フルメンテナンス契約の点検と何ら変わりはありません。
フルメンテナンス契約
フルメンテナンス契約は、メンテナンス費用の中に部品代金・交換費用を含む契約です。
POG契約のようにエレベーター保守・メンテナンスを行うところまでは同じですが、不具合・故障があった場合の部品の交換・修理費用が
別途発生することはありません。
また、エレベーター保守のなかでも高額工事となる「ロープ交換」の
費用も、フルメンテナンス契約ではメンテナンス費用内に含まれます。
メンテナスにかかる費用がほぼ一定なため、一時的に高額な修理・交換費用が必要ないことがフルメンテナンス契約のメリットです。
ただし、フルメンテナンス契約のメンテナンス費用はPOG契約と比べたとき、約2割~4割ほど割高になることが多いです。